パリ観光で絶対に行きたい場所のは、ルーヴル美術館ですよね。
ルーヴル美術館は、所蔵数は38万点以上、展示点数は3万5千点を超える世界最大級の規模を誇る美術館です。すべてを見るのは数日かけても不可能。
ルーヴル美術館は大きすぎて、「どこから見ればいいの?」と迷う人も多いと思います。
そこで今回は、初めて訪れる方にもわかりやすい必見作品の解説と、効率よく回れる短時間ルートと半日ルートをご紹介します。
フランスの大学で西洋史を学び、美術館巡りが趣味の私が、ルーヴル美術館に行くたびに毎回辿るおすすめルートです。
ルーヴル美術館の滞在時間に合わせて、参考にしていただけたら嬉しいです。
この記事はこんな方に向けて書いています。
- 初めてルーヴル美術館に行くので、主要作品を知りたい。
- ルーヴル美術館の所要時間とおすすめルートを知りたい。
- 短時間でルーヴル美術館を効率よく回りたい。
- 半日かけてゆっくり美術を観てみたい。
所要時間の目安
短時間(2〜3時間)
名作を中心に効率よく回りたい人向け。絵画・彫刻の代表作を押さえます。
半日(4〜5時間)
西洋絵画や古代美術をじっくり楽しみたい人におすすめ。途中で休憩を取りながら鑑賞できます。
1日以上
ルーヴルを徹底的に堪能したい方向け。全体を網羅的に回るには数日必要といわれます。
入館前の基本情報
チケット:オンライン事前購入がおすすめ。公式サイトまたは旅行サイト経由で予約しましょう。
パリ・ミュージアム・パスも利用可能です。その場合も、公式サイトから日時指定の予約(無料)をしておきましょう。
入口:ガラスのピラミッド前が定番ですが、混雑回避なら地下の「カルーゼル・デュ・ルーヴル入口」がおすすめ。
開館時間:通常 9:00〜18:00(水曜・金曜は21:45まで夜間開館)
休館日:火曜日
持ち物:大きな荷物はクローク預け。カメラはOKですがフラッシュは禁止。
ルーブル美術館の内部
ルーヴル美術館はドゥノン翼・シュリー翼・リシュリュー翼の3つに分かれています。
美術品は部門ごとにまとまって展示されており、地下二階から地上三階までの五階建ての美術館です。
ルーヴル美術館の必見作品
サモトラケのニケ(紀元前2世紀)

ギリシャ彫刻の最高傑作のひとつ。翼を広げ、勝利の瞬間を表現する姿は圧倒的な迫力。階段の上に立つため、遠くからでも強い存在感を放ちます。
ミロのヴィーナス(紀元前100年頃)

女性美の象徴として知られる女神アフロディーテ像。欠けた両腕が逆に想像力をかき立て、ルーヴルを代表する美のアイコンとなっています。
瀕死の奴隷(1513–16年/ミケランジェロ)
ローマ教皇ユリウス2世の墓所のために制作された彫刻。自由を奪われた青年の身体がねじれ、力尽きる瞬間をとらえた姿は、見る者に深い感情を呼び起こします。ミケランジェロの彫刻特有の緊張感と肉体美が際立ちます。
モナ・リザ(1503年頃/レオナルド・ダ・ヴィンチ)

世界で最も有名な絵画。小さなキャンバスに描かれた神秘的な微笑みは、ルーヴル最大の人だかりを生みます。
カナの婚礼(1563年/ヴェロネーゼ)
「モナ・リザ」の向かいに展示される巨大絵画。縦6.7m×横9.9mの大迫力で、新約聖書の婚礼の場面が豪華絢爛に描かれています。
ナポレオン1世の戴冠式(1807年/ジャック=ルイ・ダヴィッド)
歴史画の傑作。ナポレオンが自らの手で皇后ジョゼフィーヌに冠を授ける場面を描き、政治的メッセージが込められています。
メデューサの筏(1819年/テオドール・ジェリコー)
実際の遭難事件をもとに描かれた巨大キャンバス。生存者の絶望と希望を描き、ロマン主義を代表する作品です。
民衆を導く自由の女神(1830年/ドラクロワ)

フランス七月革命を象徴する名画。フランスの国旗を掲げる女性像「マリアンヌ」が、自由と抵抗の象徴となっています。
ハムラビ法典(紀元前18世紀/バビロニア)
世界最古級の法典を刻んだ黒い石碑。上部にはハムラビ王と太陽神シャマシュの姿が彫られています。
ラマッス像(紀元前8世紀/アッシリア)

人頭有翼の獅子像で、宮殿の門を守る守護神。古代メソポタミアの壮大な世界観を感じさせます。
オダリスク(1814年/アングル)
東方趣味(オリエンタリズム)の代表作。滑らかな曲線で描かれた裸婦像が観る者を魅了します。
フェルメール作品(17世紀)
静謐な光に包まれた小さな作品群。限られた点数しか残っていないフェルメールの作品を間近で鑑賞できます。
マリー・ド・メディシス連作(ルーベンス)
ルーブル随一の大画面連作。フランス王妃マリー・ド・メディシスの生涯を劇的に描いたバロック絵画です。
ナポレオン3世の居室
豪華絢爛な赤いサロン、クリスタルシャンデリア、黄金装飾が施された食堂など。 「美術館の中にあるベルサイユ宮殿」とも呼ばれる必見スポット。ルーヴルが王宮であった歴史を体感できます。
短時間のおすすめルート(約2時間)
「これだけは見たい!」という人向けの効率的コース。西洋美術と古代文明の両方を「名作だけ」つまむルート。
ドゥノン翼へ直行
勝利の女神像。階段を登る瞬間の迫力は格別。
世界中の観光客が集まる必見作品。混雑するので早めに訪れるのがおすすめ。
ルーヴル最大のキャンバス。祝宴の賑わいに圧倒されます。
ダヴィッドの大作。精緻な筆致に見入ってしまいます。
荒波の中の絶望と希望を描いた社会派絵画の傑作。
フランスの精神を象徴する一枚。ドラクロワの代表作。
シュリー翼へ移動
古代ギリシャの美の女神像。優美な立ち姿に魅了されます。
リシュリュー翼へ移動
世界最古級の法律文書。王ハムラビと神シャマシュの姿が刻まれています。
牛の体に人の顔を持つアッシリアの守護神像。巨大な存在感は必見。
ルーヴル美術館 半日モデルルート(約4〜5時間)
ルーヴルは大きく分けて ドゥノン翼・シュリー翼・リシュリュー翼 の3つに分かれています。ここでは、各ゾーンを効率よく回りながら「名作 → 古代文明 → 絵画」を楽しむルートを紹介します。
スタート:ドゥノン翼(1階・2階)
まずはルーヴルの代名詞ともいえる名作を一気に巡ります。
勝利の女神像。階段を登る瞬間の迫力は格別。
世界中の観光客が集まる必見作品。混雑するので早めに訪れるのがおすすめ。
ルーヴル最大のキャンバス。祝宴の賑わいに圧倒されます。
ダヴィッドの大作。精緻な筆致に見入ってしまいます。
荒波の中の絶望と希望を描いた社会派絵画の傑作。
フランスの精神を象徴する一枚。ドラクロワの代表作。
中盤:シュリー翼 & リシュリュー翼(地下1階〜1階)
次は古代文明のエリアを巡り、西洋美術の源流を体感します。
古代ギリシャの美の女神像。優美な立ち姿に魅了されます。
世界最古級の法律文書。王ハムラビと神シャマシュの姿が刻まれています。
牛の体に人の顔を持つアッシリアの守護神像。巨大な存在感は必見。
後半:リシュリュー翼(2階)
最後は静かな空間でヨーロッパ絵画をじっくり鑑賞。人も比較的少なく、ゆっくり回れます。
エキゾチックな魅力漂う裸婦像。新古典主義の美を堪能。
「天文学者」「地理学者」など希少なフェルメール作品。光の表現は必見。
王妃マリー・ド・メディシスの生涯を描いた全24点。圧巻のスケールで締めくくり。
半日モデルルートの所要時間の目安
前半(ドゥノン翼 名作ハイライト):約1.5時間
中盤(古代美術):約1〜1.5時間
後半(絵画鑑賞):約1〜1.5時間
合計 約4〜5時間 で、ルーヴルの醍醐味を一気に楽しめます。
効率よく回るポイント
- 朝イチか夕方の入館が狙い目。モナ・リザ周辺の混雑を避けやすいです。
- 地下のカルーゼル入口から入館すると比較的スムーズ
- 館内マップを事前ダウンロードしておくと迷わず効率的
- 休憩スポットを上手に活用。館内カフェは数か所あるので、疲れたら無理せず休憩を挟むのがおすすめ。
まとめ
ルーヴルは、一度の訪問で制覇できる美術館ではありません。だからこそ、時間に合わせて見るべき作品を絞るのがポイント。
2時間なら世界的名作を押さえ、半日なら歴史を横断でき、1日なら美術史を旅するような体験ができます。
パリ旅行でルーヴルを訪れるなら、ぜひこのルートを参考にしてみてください。