「またパリへ行きたい。」
そんな気持ちになる日は、旅の写真を見ることもありますが、私が一番手に取るのは本です。
ページを開くと、石畳の道を歩く音が聞こえてくるような気がしたり、カフェのテラスで過ごす穏やかな時間を思い出したり。
私にとって本は、フランスへ連れて行ってくれる小さな旅です。
今回は、何度も読み返してきた本の中から、「フランスをもっと好きになったきっかけ」をくれた本をご紹介します。
『パリでメシを食う。』
この本を読んだとき、「フランスで働く」ということが、ぐっと身近に感じられました。
料理人、職人、クリエイターなど、それぞれが自分の夢を追いながらパリで暮らす姿が描かれています。
華やかな成功談ではなく、迷いながらも自分の道を歩む人たちの姿に励まされ、何度も読み返してきました。
仏日翻訳の仕事に携わるようになった今では、以前とは違う視点で読める大切な一冊です。
『パリの国連で夢を食う。』
海外で働くことに憧れていた頃、夢中になって読んだ本です。
国際機関という少し遠い世界を描きながらも、「海外で働くとはどういうことか」という現実も伝えてくれます。
夢だけではなく、努力や葛藤も描かれているからこそ、今でも節目ごとに読み返しています。
『ゆっくりたっぷりパリ暮らし』
私が大好きなフランス語翻訳家、松本百合子さんのエッセイです。
フランスの好きなところも嫌いなところも、思わず共感せずにはいられない話がたくさん詰まった一冊です。
忙しい毎日の中で心を落ち着けたいとき、自然と手に取ってしまう本です。
『パリ魅惑のアンティーク』
フランスでは、古いものを大切に受け継ぐ文化が暮らしの中に息づいています。
アンティーク家具や食器、小物には、それぞれ長い物語があります。
「歴史あるものを未来へ受け継ぐ」という考え方は、とても共感できる考え方です。
蚤の市やアンティークショップが好きな方にもおすすめしたい本です。
『パリジェンヌの薬箱』
フランスの薬局は、旅行中につい立ち寄りたくなる場所の一つです。
この本では、薬やスキンケア用品だけではなく、フランス人の健康や美容に対する考え方も紹介されています。
「美しく見せる」よりも、「心地よく暮らす」。
そんな価値観に触れられるところが、この本の魅力だと思います。
『パリの歴史散歩ノート』
私は歴史が好きなので、タイムスリップした気持ちでパリに行きたい気分の時によく読みます。
ローマ時代から現代まで、パリという街がどのように発展してきたのかを、実際に歩きながら学べる構成になっています。
建物や広場を見るだけでは気づかない背景を知ることで、街歩きが何倍も楽しくなりました。
「歴史を知ることで街がもっと面白くなる」という視点を大切にしたいと思っています。
『三つ編み』
フランス人作家レティシア・コロンバニによる小説です。
異なる国に暮らす三人の女性の人生が、一本の糸のようにつながっていく物語。
読むたびに、新しい勇気や希望をもらえる作品です。
フランス文学というより、「人の生き方」を考えさせてくれる一冊として大切にしています。
『移動祝祭日』
アーネスト・ヘミングウェイが1920年代のパリで過ごした日々を綴った回想録です。
芸術家たちが集まったカフェ、セーヌ川沿いの散歩、当時のパリの空気。
この本を読むと、華やかな観光都市ではなく、「文化が息づくパリ」を感じることができます。
パリという街が、なぜ世界中の芸術家を魅了したのか。その理由を少しだけ教えてくれる一冊です。
『星の王子さま』
子どもの頃と大人になってからでは、まったく違う印象を受ける本です。
有名な「大切なものは目に見えない」という言葉だけではなく、人とのつながりや、自分にとって本当に大切なものは何かを静かに考えさせてくれます。
読むたびに心に残る場面が変わる、不思議な魅力を持った作品です。
本は、私にとってフランスへの小さな旅
今回ご紹介した本には共通点があります。
どれも、有名な観光スポットを紹介するガイドブックではありません。
そこに暮らす人々の価値観や働き方、歴史や文化を知ることで、「フランスという国」をもっと好きになれる本ばかりです。
私自身、仏日翻訳に携わったり、歴史や美術を学ぶ中で、「知れば知るほどフランスは面白い」と感じるようになりました。
だから旅に出られない日も、本を開いてフランスを感じています。
もし皆さんにも「フランスをもっと知りたい」「次の旅をもっと深く楽しみたい」という気持ちがあれば、ぜひ気になる一冊から読んでみてください。
これからも、新しい本との出会いがあれば、この本棚に少しずつ加えていきたいと思います。
皆さんにも、お気に入りのフランスの本があれば、ぜひ教えてください。

