【教養としてのフランス史】フランスの歴史をかんたんに、わかりやすく解説|大人の学び直しや旅行前に

フランスの街を歩いていると、「なぜここに大聖堂があるのか」「なぜ宮殿が美術館になっているのか」そんな疑問が自然と浮かびます。

それらの答えは、すべてフランスの歴史につながっています。

この記事では、フランスの大学で西洋史・フランス史を学んでいる私が、旅行や美術館鑑賞の背景として知っておきたいフランス史の流れを、古代から現代まで、できるだけシンプルに解説します。

この記事はこんな方におすすめです。

  • フランス史を体系的に学び直したい
  • パリや地方都市をより深く理解したい
  • 美術館・建築・宮殿をもっと深く味わいたい
  • 難しい専門書の前に、まず流れを掴みたい

西洋史の流れを知りたい方はこちらも合わせてどうぞ。

目次

古代|ガリアからローマへ(〜5世紀)

現在のフランスは、古代ローマ時代には「ガリア」と呼ばれていました。

この地に住んでいたのが、ケルト系の人々です。

紀元前1世紀、古代ローマ帝国の将軍カエサルがガリア遠征を行い、ガリア(現在のフランス)はローマ帝国の一部となります。

このローマ支配によって、

  • 都市
  • 道路
  • 浴場
  • 水道

といったインフラが整えられました。

現在も、リヨン、ニーム、アルルなど南フランスを中心に、立派なローマ遺跡が残っているのはこのためです。

中世初期|フランク王国とキリスト教(5〜10世紀)

5世紀、西ローマ帝国が滅亡すると、ゲルマン人の一派であるフランク族が力を持つようになります。

クローヴィスの改宗

フランク王国メロヴィング朝の王クローヴィスは、当時少数派だったカトリック(アタナシウス派)に改宗しました。

これが、フランス史における非常に重要な出来事です。

この改宗によって、フランク王国はローマ・カトリック教会の後ろ盾を得て、権力を持つようになっていきます。

ここに、「フランス王権」と「カトリック教会」が結びつく基盤が作られました。

カール大帝

次のカロリング朝の時代に登場するのがカール大帝です。

800年、ローマ教皇から皇帝の冠を授けられ、西ヨーロッパに強大な帝国を築きました。

この時代が、後のフランス・ドイツ・イタリアの原型になります。

中世|封建社会とフランス王国(10〜15世紀)

中世ヨーロッパは、封建制度の社会です。

王は存在しますが、実際には各地の有力貴族(諸侯)が強い権力を持っていました。

百年戦争

14世紀から15世紀にかけて、フランスとイギリスの間で起こったのが百年戦争です。

この戦争の中で登場するのが、農民の少女ジャンヌ・ダルク。

彼女の活躍は、「フランス人」という意識を強める大きなきっかけになりました。

この時代に築かれた多くの城は、現在ロワール地方などで見ることができます。

近世|ルネサンスと王権の強化(16世紀)

16世紀になると、イタリアからルネサンス文化が伝わります。

フランソワ1世

芸術を愛した王フランソワ1世は、レオナルド・ダ・ヴィンチをフランスに招きました。

ルーヴル宮殿が王宮として整えられ、王のコレクションが増えていきます。

宗教戦争

一方で、カトリックとプロテスタント(ユグノー)の対立から、

フランス国内では激しい宗教戦争が起こりました。

絶対王政|ヴェルサイユの時代(17〜18世紀)

ルイ14世「太陽王」

フランス史で最も有名な王が、ルイ14世です。

「朕は国家なり」という言葉に象徴される絶対王政を完成させました。

パリ郊外に建設されたヴェルサイユ宮殿は、王権の象徴であり、政治の中心でした。

宮廷文化が花開き、フランスはヨーロッパ文化の中心となります。

近代|フランス革命とナポレオン(1789〜1815年)

1789年、ついにフランス革命が勃発します。

  • 身分制度の廃止
  • 王政の崩壊
  • 共和国の成立

「自由・平等・博愛」という理念は、この時に始まり、世界に大きな影響を与えました。

その混乱の中で台頭したのがナポレオンです。

彼は一時、ヨーロッパの大半を支配しましたが、1815年に失脚します。

パリの凱旋門やコンコルド広場の歴史的建造物は、この時代の記憶を今に伝えています。

19世紀|近代国家とパリ改造

革命後のフランスは、王政・帝政・共和政を繰り返す不安定な時代を迎えます。

フランス近現代は、「政治の実験場」と言われるほど、政治が混乱し激しい時代でした。

オスマンによるパリ改造

19世紀半ば、セーヌ県知事オスマンによって、現在のパリの街並みが整えられました。

広い大通り、美しい街区は、治安対策と近代都市化の結果です。

20世紀|戦争・占領・再生

二つの世界大戦

20世紀前半、フランスは二度の世界大戦を経験します。

第一次世界大戦では、フランスは主戦場となり、多くの戦死者が出ました。

第二次世界大戦では、ドイツに占領され、フランス解放のために各地でレジスタンスが活動しました。

戦後のフランス

戦後は第五共和政が成立し、フランスはEUの中心国として歩んでいます。

現代フランスを理解するために

  • なぜフランス人は「共和国」に誇りを持つのか
  • なぜデモや議論が多いのか
  • なぜ文化・芸術が重視されるのか

それらはすべて、革命と王政、宗教と市民社会を経験してきた歴史の積み重ねです。

まとめ|フランス史を知ると、旅の景色が変わる

フランスの街並み、美術館、建築は、約2000年にもおよぶ、各時代の政治・宗教・思想を反映しています。

歴史を少し知るだけで、旅は「見る旅」から「理解する旅」へと変わります。

フランス史を入口に、みなさんの旅や学びが、より豊かなものになりますように。

この記事がそのきっかけになれば嬉しいです。

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この記事を書いた人

日本を拠点に、ときどきフランスへ。仏大学で西洋史を専攻し、『大人の学び』を続けています。フランス政府公認ガイドを目指しながら、旅と美術、歴史を通してフランスの物語を綴っています。フランス各地で出会った美しい風景と記憶をお届けします。

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